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2015/10/27

数量積算マニュアル 自治体普及に「解説版」

 国土交通省は、直轄の営繕工事の積算数量の拾い忘れや違算防止を図るための「営繕工事積算チェックマニュアル」を地方自治体などの発注者が活用できるよう、マニュアルの「解説版」を作成した。各発注者に設計業務の特記仕様書にマニュアルを位置付けることを働き掛け、業務を受託する設計事務所などが行う数量確認の精度を高めてもらう。今後、自治体、中央省庁、建築系の団体などにマニュアルを送り活用を促す。
 営繕工事積算チェックマニュアルは、積算業務の各過程でチェックすべき項目や数量確認のための数値指標を整理したもの。設計業務の受託者がマニュアルを活用して数量確認を行うとともに、発注者も提出された成果物の数量をマニュアルで確認する。国交省は、2008年に建築工事、12年に電気設備工事と機械設備工事でマニュアルを作成し、それぞれ特記仕様書に位置付けている。
 国交省は、このマニュアルをことし3月にホームページ上で初めて公開。建設業団体などから、公共建築工事における数量積算の精度向上を求める声が以前からあり、国交省以外の発注者にマニュアルの活用を促す狙いがあった。
 ただ、マニュアルは設計事務所が作業することを念頭につくられたもので、発注者がマニュアルを使って数量を確認するためには技術的知見が必要になる。このため、技術者不足の自治体にとってマニュアル自体の活用が困難になる恐れもある。
 解説版は、技術的知見に乏しい自治体でもマニュアルを理解できるよう国交省が編集。積算業務における数量のチェックフローなどを分かりやすく解説するとともに、参考資料として公共建築工事積算基準の体系なども添付している。
 改正品確法では、受注者が適正な利潤を確保するため、適正な予定価格を設定することを発注者に求めている。国交省は、公共建築工事の入札不調・不落の防止や直轄営繕工事の積算ノウハウなどをまとめた「営繕積算方式活用マニュアル(普及版」も、自治体などにより理解しやすいように改訂。営繕工事積算チェックマニュアルとともに自治体などに活用を呼び掛け、公共建築工事における適正な予定価格の設定を後押しする。

提供:建通新聞社