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2015/10/23

傾斜マンション調査、日建連、国交省に協力

 日本建設業連合会(日建連)は杭長不足による横浜市の傾斜マンション問題をめぐり、国土交通省の調査要請に積極的に協力する。22日の理事会で▽元請けとして調査対象工事を施工した会員は遺漏なく積極的に協力▽調査の実施に必要な対応方針を至急作成▽元請けとしての杭施工の管理体制や施工記録チェック上の管理指針を作成―を決議。同日、建築生産委員会施工部会を招集して調査の対応方針などに関わる検討をスタートさせた。
 国交省は傾斜マンションの杭工事を担当した旭化成建材に対し、過去10年間の施工物件約3000件でデータ改ざんの有無を調べるよう指示。併せて、施工物件に関わった元請け業者や不動産業者にも調査させてダブルチェックすることとし、21日付で日建連、全国建設業協会、全国中小建設業協会、不動産業協会などに国交相名の要請文書を発出した。
 理事会後の会見に臨んだ日建連の中村満義会長は「杭工事の信頼性が損なわれたことは誠に遺憾」と述べるとともに、施工管理の責任を負う元請け会社の団体として「今後の調査や施工管理体制の検討などに当事者意識を持って積極的に対応していく」と強調した。
 また、同席した山内隆司副会長・建築本部長は「一義的には全て元請けの責任。被害状況に応じて下請けに責任をどう配分するかは次の問題だ」と発言。さらに「検査をパスしたものに瑕疵(かし)が見つかったことは、そのシステムに問題があるのか、システムを機能しないようにしたのかを検証する必要がある」と問題提起した。
 その上で「こういうトラブルが起きないようにするには、杭の機械のそばに1人ずつ第三者の検査員を付けなければならない。そうなれば膨大なコストが掛かりマンションの販売価格は倍にはなる。規制によるコントロールと費用対効果の問題を抜きにしては語れない」と持論を述べた。

提供:建通新聞社