東京商工リサーチのまとめによると、2015年度上半期(4〜9月)の建設業の倒産件数は前年同期比17%減の846件となり、上半期として7年連続で前年同期を下回るとともに、1990年度以来の低水準にとどまった。負債総額は34・8%減の870億3000万円で上半期として過去20年で最少だった。
業種別の倒産件数は、土木工事業が25・7%減の144件となったことを筆頭に、建築工事業が25・6%減の136件、管工事業が24%減の82件などの順で、前年同期の倒産件数を下回った。
地区別では、九州が6・7%増の79件で唯一の増加となり、ほか7地区は前年同期を下回った。特に、四国が41・6%減の14件、関東が27・3%減の276件と、減少幅が大きくなった。
東京商工リサーチは、倒産件数の減少傾向が続いていることについて、金融機関が中小企業のリスケ(返済条件変更)の要請に柔軟に応じていることに加え、メーカーなどの業績回復による民間需要の好調が持続していることなどが背景にあると分析している。
今後の見通しについては「建設業の倒産が当面、急増する要因は見当たらない」と楽観視しつつも、前年度の公共工事の執行前倒しの反動で、15年度の発注量が大幅に減少した地域も出ていることを懸念。「公共工事の地域間格差の広がりで、地方を中心に先行き懸念が強まっている」などとみている。
提供:建通新聞社