国の中央省庁や都道府県・政令市などの85・7%で、社会保険に未加入の元請けを排除する取り組みを行っていることが、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の8月1日時点の調査で明らかになった。このうち、未加入の1次下請けを排除する対象を全工事とするなど、国交省と同じ枠組みで未加入企業の排除に取り組む発注者は、中央省庁などで7機関、都道府県・政令市で2団体あった。
中央公契連の事務局である国交省が、中央省庁・特殊法人など31機関と地方公共工事契約業務連絡協議会(地方公契連)に参加する都道府県・政令市67団体を対象に8月1日時点の排除措置の状況を尋ねた。
未加入の元請けに対する排除措置では、インターネット一元受付を行っている中央省庁で、昨年行われた15・16年度競争参加資格審査から未加入企業の申請を受け付けないことを決めており、31機関のうち27機関で未加入の元請けを資格審査の段階で排除した。個別工事の資格審査で排除している発注者を加えると、31機関のうち29機関の発注工事で未加入企業が入札に参加できなくなっている。
都道府県・政令市でも、全67団体のうち44団体(うち2団体は一部)で定期の競争参加資格審査から未加入企業の申請を排除。個別工事における対応を加えると、66団体中55団体(うち5団体が一部)の入札に未加入の元請けが参加できなくなっている。
未加入の下請けへの対応としては、これまで1次下請けに対する排除措置の対象を下請け総額3000万円以上(建築4500万円以上)の工事に限定していた国交省が8月1日から全直轄工事に対象を拡大した。また、昨年8月からは未加入であることが判明した2次以下の下請けを建設業許可行政庁に通報している。
中央省庁・特殊法人のうち、国交省と同じ対策を講じているのは▽農林水産省▽最高裁判所▽鉄道・運輸機構▽東日本高速道路会社▽中日本高速道路会社▽本州四国連絡橋高速道路会社▽UR都市機構―の7機関。
一方、都道府県・政令市では2団体が国交省に先んじて排除措置を実施。福井県が6月1日の入札公告から全工事で未加入の1次下請けの排除を始めたほか、未加入の2次以下の通報は12年11月から導入済み。島根県は
未加入の1次下請けの排除と2次以下の通報を4月1日から開始した。
提供:建通新聞社