■森昌文道路局長 国土交通省幹部就任インタビュー
国土交通省の森昌文道路局長は24日、建設専門紙の就任インタビューで「単に道路を整備するだけでなく、開通の目標時期を(事前に)明示すれば沿道開発や地域経営に大きく貢献することができる」として、ストック効果を意識した道路整備を進める方向性を語った。2016年度予算についても「高いストック効果が見込まれる施策や箇所に重点的に投資することになるだろう」との見方を示した。
森局長は「道路の開通には、地域構造を変えてしまうほどの社会的、経済的なインパクトがある」と述べた上で「開通の目標年度を公表することが企業の投資を呼び込み、ストック効果の最大化に貢献できる」との考えを語った。また、開通の目標年度を示すことが「工事の最終段階における周辺環境の整備など、工事全体のマネージメントやコスト管理にもつながる」と強調した。
道路の老朽化対策では「点検・診断、更新、維持管理が市町村の重荷になっている」との認識を示し「地方整備局の技術者の底上げに加え、資金面で自治体を支援していく必要がある」と話した。さらに「都市のコンパクト化というコンセプトの下、道路だけにとらわれず、インフラ全体で老朽化対策を考えることが求められるのではないか」と提案した。
三陸復興道路に採用された事業促進PPPについては「事業のスピードアップを図るという意味で、大きな成果を挙げたと感じている」と述べる一方「制度を全国に展開するためには、受注者のメリットに考慮した運用の見直しが求められる」と話した。