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2015/09/26

発注事務改善、市区町村に遅れ 全建アンケ

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は改正品確法などに関する都道府県協会と会員企業へのアンケート調査で、歩切りの廃止や適切な契約変更に取り組む自治体が増えつつも、市区町村での発注関係事務の改善が遅れている状況を把握した。また、会員企業の過半で受注状況が悪化していることもつかんだ。10月7日に始まる地域懇談会・ブロック会議での議論の材料とし、市区町村に対する運用指針の徹底や補正予算編成を国土交通省に訴えていく。
 アンケート調査では、主に改正品確法とその運用指針に基づく発注者の対応について、昨年12月ごろとことし7月1日時点を比較する形で状況を質問。40都道府県協会(回収率85・1%)と会員企業1162社が回答を寄せた。2016年度以降も継続実施し、改正法の効果の測定・評価を通じて発注機関への提言などにつなげる。
 都道府県協会に対する制度面の設問のうち、自治体の歩切りは「以前から行っていない」「改善された・改善予定」の回答が都道府県で9割を占める一方、市区町村は5割に満たず、40市区57町20村では「いまだに行われている」と見ている。
 契約変更をめぐる会員企業の回答は、国交省、都道府県、市区町村のいずれも「以前から行われている」「行われるようになった」で6〜8割に達しながらも、特に市区町村で「行われていない」との割合が3割を超えた。また、工期設定に関して地域の実情や週休2日などが「考慮されていない」との認識は、国交省(25・7%)に比べ都道府県(39・6%)と市区町村(47%)の割合が高かった。
 さらに14年度第1四半期と15年度第1四半期の受注状況の変化について、会員企業の約6割が「悪い」「悪くなってきた」と回答。特に▽九州・沖縄(72・9%)▽北陸(68・4%)▽中部(64・9%)▽中国(62・3%)―の4ブロックでの悪化が顕著なことが分かった。悪化の要因については、622社が「発注の減少」、299社が「競争の激化」を挙げた。

提供:建通新聞社