国土交通省は、建設技能労働者の賃金動向を把握する手法を検討する。労働者の賃金動向を把握する公的な調査には、厚労省の「毎月勤労統計調査」や「賃金構造基本統計調査」などがあるが、建設技能労働者に特化して賃金を把握する既存の調査はない。建設技能労働者に特化して賃金動向を効率的に把握し、賃金水準の確保に向けた施策に活用する。
国交省は、建設技能労働者の賃金動向を毎月勤労統計調査や賃金構造基本統計調査などで把握しているが、技能労働者と技術者が一括になっていたり、調査が年1回だったりと、既存調査では正確に建設技能労働者の賃金を把握することはできないという。
一方、国交省の公共事業労務費調査も、調査対象者が毎年度異なるほか、公共工事に携わる技能労働者のみが対象となるなど、そもそもが公共工事設計労務単価を算出するために行うものであるため、賃金動向の把握には向いていない。
このため、これらの既存調査に、建設工事受注動態統計調査や建築着工統計調査、中小企業景況調査など事業量や企業の景況感などの指標を加えてデータを分析、建設技能労働者の賃金動向を定期的に把握できる手法を検討する。賃金動向を定期的につかみ、技能労働者の処遇改善に向けた施策をタイムリーに講じていく狙いがある。
提供:建通新聞社