建設現場の墜落災害撲滅を目指す「日本建設職人社会振興議員連盟」(二階俊博会長)は18日に開いた総会で、建設現場の安全衛生環境の改善などを目的とする議員立法制定に向けた中間報告を了承した。公共工事に比べて対策が遅れている民間工事の現場にも安全衛生を確保する設備・工期への配慮を求めるほか、公共工事の発注者には安全性に配慮した競争参加者にインセンティブを講じることを要請する。
同議連は、自民党・公明党議員らが参加する墜落災害撲滅・安全足場設置推進議員連盟が2月に名称を変更したもの。立法化作業特命チームを設置し、国土交通省、厚生労働省、建設業団体などにヒアリングを行い、今回の中間報告をまとめた。
法案の基本理念では、建設現場の安全確保に向け、公共工事と民間工事の発注者・元請け・下請けに、適正な価格・工期・条件を設定して契約を結ぶことを要請。発注者に加えて、建設生産プロセスに携わる設計者にも安全への配慮を求める。発注者と元請け・下請けが現場の安全に配慮し、現場従事者の地位向上を図ることも法案に盛り込む見通しだ。
施工の安全に配慮した発注を推進する方向性も示し、発注者に対して、安全に配慮した組織・体制を整えた建設業にインセンティブを与えることを求める。競争入札の参加者の安全性への配慮を適切に審査・評価する努力義務も設ける見込みだ。
議連の櫻田義孝事務局長は「来年の通常国会に法案を提出したい」としており、今後、自民・公明両党の党内手続きを進める方針を示した。
提供:建通新聞社