日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は2016年度の税制改正要望に、新たに「建設業の担い手確保促進税制の創設」を盛り込んだ。技能労働者の処遇改善に取り組む元請け企業や、予備自衛官・即応予備自衛官を積極的に雇う建設企業に税制上の優遇措置を講じるよう訴えていく。
具体的に見ると、技能労働者の処遇改善に関わる元請けの取り組みに▽職長手当ての支給▽技能向上研修の実施▽若者や女性の活躍促進につながる現場環境整備―などを挙げ、これらの費用に対する税制上の優遇措置を求める。3月にまとめた「建設業の長期ビジョン」で新規入職者90万人の確保の必要性を唱える中、前提となる技能労働者の処遇改善を下請け企業任せにせず、元請け企業もより積極化できるようにするためだ。
一方、予備自衛官・即応予備自衛官は建設業関連技能を有していることから「有望な担い手」として活用したい意向。防衛省による16年度の税制改正要望と同様に、一定要件下で雇用者1人当たり40万円の税額控除などを認めれば、積極的に雇い入れる建設企業へのインセンティブになると考えている。
これら以外にも▽工事進行基準と会計基準との齟齬(そご)をめぐる「請負金未確定の場合の売上計上基準の見直し」▽試験研究費の税額控除制度の改善▽新たな国際課税ルールに基づく事務負担増の軽減▽新築住宅に関わる固定資産税の減額措置の恒久化―を新規の要望項目とした。
提供:建通新聞社