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2015/09/18

【連載】IT時代の打音ハンマー インフラ検査技術のいま(上)

【連載・北海道建設新聞社】
IT時代の打音ハンマー インフラ検査技術のいま(上)


■インフラ点検効率良く 新しい維持管理手法続々

 自然災害や老朽インフラの事故に備え、維持管理技術のニーズが高まっている。建設業界で人手不足が続く中、少ない労力と高い精度でインフラを維持管理することが重要となる。そうした技術やサービスを集めた「インフラ検査・維持管理展」(主催・日本能率協会)を取材。検査技術の最新動向を追った。

 7月22日、東京ビッグサイト。大手企業から中小企業まで、膨大な数の企業が最新の製品や一押しの技術を出展する合同展示会「メンテナンス・レジリエンスTOKYO」が開かれた。

 当初はプラントのメンテナンスをメーンとした展示会だったが、笹子トンネルの事故以後、公共インフラの維持管理に注目が集まっていることから、「インフラ検査・維持管理展」も2009年から開催している。

 会場ではコンクリート構造物の検査に関する機器が目立った。特に、基本となる打音検査の機械化や、効率化を目指そうとする動きが垣間見えた。

 「回転式打音診断支援システム」を提案するネクスコ東日本エンジニアリング(本社・東京)の豊岡雅美保全計画課課長代理は、「打音検査の熟練技術者が高齢化し、人材が少なくなっている」と説明。同社は高速道路のトンネルの維持管理を手掛けているが、「騒音の中でも正確に点検する必要がある」と言う。

 同システムは長さ1m強の金属棒の先に、回転する金属の多面体を取り付けた「回転式打音点検器」を利用する。多面体を覆工面に転がすことで音が鳴り、ハンマーでたたくのと同様の効果を簡単に得られる。

 音はヘルメット横に取り付ける集音器が拾う。異常がなければ、LEDは緑色に点灯するが、浮きなどの異常がある可能性がある場合には赤く点灯する仕組みだ。打音以外の音をキャンセルする機能も内蔵し、騒音の中でも鮮明に音をキャッチする。

 エジソンハードウェア(本社・札幌)は、連続的に覆工面をたたくことができ、長時間の検査を支援する「ローリングハンマー」を、実際にコンクリートの壁を用意して実演しながらアピールした。辻誠社長は「トンネル天井の検査などの高所作業は危険もありコストも掛かる」と話し、採用を呼び掛けた。

 1150―1840_まで伸縮する棒の先に取り付けた2つの鉄球を、モーターの力で回転させる単純な構造。現場で求められる耐久性の実現へ、試験を繰り返して鉄球の素材を変えたり、鉄球と回転基部との接続を金属ワイヤからチェーンに変更するなど、工夫を凝らした。ユニークな見た目や実演のインパクトから多くの注目を集めていた。