■池田豊人大臣官房技術審議官 国土交通省幹部就任インタビュー
国土交通省の池田豊人大臣官房技術審議官は、就任インタビューで、これまで大規模な土工を中心に試行してきた情報化施工について「小規模土工も含め、(直轄工事)全体に展開する」との方針を示した。また、「これまでの工期に対する意識を見直さなくてはならない」と述べた上で「適切な工期を設定することで、結果として4〜6月の工事量の落ち込みを解消し、施工時期の平準化を図りたい」との認識を語った。
池田審議官は、公共工事で生産性の向上に取り組む背景について「投資が下げ止まり、生産人口の不足が見込まれる今だからこそ、生産性を向上させ、1人当たりの出来高を上げることが求められる」との見解を示した。
具体的には、情報化施工の拡大、施工の標準化、施工時期の平準化、の三つの施策を進める方針だ。情報化施工は「これまでは大規模な土工でも一部にしか適用されていない。小規模な土工も含めて本格的に運用していかなくてはならない」と意気込みを示すとともに「施工の段階だけでなく、測量、設計、施工、管理の一連の流れを一貫して情報化を図る必要がある」と話した。
直轄工事では、施工時期の平準化を図るため、2015年度から舗装工事や築堤・護岸工事などに2カ年国債を設定し、端境期となる4〜6月の工事量を確保する取り組みを進めている。「国債や繰り越し制度を積極的に活用すれば、これまで3月末に無理して設定してきた工期をより適正に設定できるようになる」と述べた上で「適正な工期の設定は、施工の安全性にもつながるはずだ」として、施工時期の平準化を現場環境の改善につなげる方向性を示した。
また、プレキャストコンクリート製品などに代表される部材の標準化も図る。「プレキャスト製品にもさまざまな断面が用意されれば、大量生産が可能になるのではないか」として、現場の省力化に向けて期待を寄せる。