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2015/09/08

「量より質へ意識改革」 海堀建流審 国交省幹部インタビュー

■海堀安喜建設流通政策審議官 国土交通省幹部就任インタビュー

国交省 海堀建設流通政策審議官 国土交通省の海堀安喜建設流通政策審議官は共同インタビューで、「財政制約で公共投資の大幅な増加が期待できない中、量より質を重視する方向に受注者・発注者双方が意識改革できるよう、施策を講じたい」との考えを示した。発注者が災害対応・地方創生・ストック効果といった経済成長や安全につながる分野に投資を振り向ける一方、受注者も「一定規模の事業量で利益を挙げられる骨太の体制をつくってほしい」と強調した。

 住宅・不動産、建設業に長く携わり、7月から建設業・不動産業を担当する現職に就いた。「建設業は2012年以降、転換期にある。そこを踏まえて仕事を進めたい」と抱負を語る。

 建設業が抱える課題の第一に『品質の確保』を挙げる。建設投資が底を脱したとはいえ「いったん需給が厳しくなった時に、過度な価格競争や下請けのコストを切り詰めるといった行為が広がれば、改正品確法以降に進めてきたことが無に帰す」と指摘。発注者に対しても「短期的には、歩切りなどで予定価格を下げて発注すれば財政は楽になるかもしれないが、中長期的に見れば、地域を支える建設業が疲弊し、災害対応がおろそかになる」との懸念を示した。

 建設産業の担い手の確保・育成と同様に、現場の生産性向上にも「地道に努力を積み重ねることが重要になる」と注力する姿勢を示した。施工時期を平準化し、工期に余裕を生み出すため「縦割り、相互調整の不足、全体の視点の欠如といったことに陥らず、細部をしっかりと詰めた上で、発注者、ゼネコン、専門工事業一体で生産性の向上に取り組まなくてはならない」と訴えた。