「国立大学等施設」の基幹設備(ライフライン)の老朽化が進行し、供用してから30年以上経過した設備の事故出現率が急増していることが文部科学省の調査(2015年5月1日現在)で分かった。経年30年以上の雨水の排水管が全雨水排水管の72%、実験排水管の63%を占めるなど、特に屋外の給排水管の劣化が目立っている。法定耐用年数の15年が超過した排水処理や受水糟など老朽化した設備機器も増加しているのが実情だ。
給排水設備だけでなく、教育研究活動に欠かせない電気設備、熱源設備の老朽化も著しい。特別高圧受変電設備は全設備の50・2%、暖房熱源設備は42%、冷房熱源設備は37%がそれぞれ法定耐用年数を超過。屋外電力線(低圧)の約53%、屋外電力線(高圧)の約46%が使用開始から15年以上が経過している。
未改修建物1万平方b当たりの事故出現率は、経年10〜19年のもので0・34%、20〜29年で0・61%、30〜39年で0・82%となっており、40〜49年は1・97%にまで急増している。
文科省は、現行の「第3次国立大学施設等整備計画(11〜15年度)」期間中、耐震化の早期完了を施設整備の最優先課題としてきたが、その間にも施設の老朽化が進行。第1次5か年計画期間の始まる直前(2000年5月1日)は約591万平方b(全施設の約27%)だった要改修(築25年以上が経過し改善が必要とされた)面積が、14年5月1日時点では約849万平方b(約31%)にまで増加している。
提供:建通新聞社