■池内幸司技監 国土交通省幹部就任インタビュー
国土交通省の池内幸司技監は4日、建設専門紙との就任インタビューで「少子高齢化が急速に進む中で、生産性の向上は避けて通ることができない」と建設生産システムの抜本的な改革に乗り出す姿勢を示した。建設産業の担い手確保に向けては「建設産業で働く方々が誇りを持てるよう、社会資本のストック効果を国民に広く訴えていきたい」との認識を語った。 池内技監は「建設業に従事する技能労働者340万人のうち、110万人を占める高齢層が今後10年で退職してしまう」と述べた上で「生産性向上と担い手確保を図るために残された時間は少ない。大急ぎで体制を整えなくてはならない」と危機感を示した。
このうち生産性の向上については「現在は試行的に進められているICT(情報通信技術)や3次元データの活用による情報化施工を建設生産の全プロセスに広げなくてはならない」と指摘。情報化施工が「施工量の増加につながるだけでなく、施工精度が向上することも確認されている」と述べるとともに「重機回りの補助作業員も減るので、施工の安全性も向上する」などと導入による効果を強調した。
建設産業の担い手確保に向けては「明るい兆しが少しずつ見え始めている。これを絶やさないためにも公共事業予算を安定的、継続的に確保していきたい」と意気込む。加えて、建設産業で働く技能労働者に誇りを持てるよう、社会資本が経済成長に果たすストック効果をアピールするとともに「現場で働く方々にスポットを当てた現場見学会などを開き、建設産業の地域の守り手としての役割をしっかりと説明していく」と話した。