地方空港管理者による円滑な空港施設の維持管理・更新を目的した「空港施設メンテナンスブロック会議」が発足し、9月7日に東京・大田区の国土交通省東京空港事務所で初会合が開かれた=写真。維持管理の在り方についての講演、空港舗装維持管理マニュアル(案)の説明などを通じて、全国の地方空港管理者や国交省の関係機関らが情報の共有に努めた。
同会議の設置は、国交省の「空港内の施設の維持管理等に係る検討委員会」が示した、地方空港管理者などとの連携・支援と人材育成を推進する、との方向性を受けたもの。
また、国内97空港の7割弱を占める地方空港の管理者への技術支援アンケート(国交省実施)では、▽ほかの空港の維持管理▽舗装の劣化予測▽コスト縮減や長寿命化―などについての技術情報を求める声が多く寄せられたという。
このため、会議では、空港舗装の維持管理知識、各空港管理者が抱えている課題、有益な情報などを共有することで、技術力の向上を目指すことになった。将来的には地域単位での会議の設置も視野に入れている。
初会合では、東洋大学理工学部都市環境デザイン科の福手勤教授が「空港の維持管理の在り方について」と題して講演。空港施設の特殊性として、メンテナンスのための時間的制約が厳しいこと、施設の不具合がそのまま大事故につながること、「安全性」は国際基準であること、セキュリティー上の理由からボランティアベースでのメンテナンス活動が許されないことなどを挙げた。
今後、講じるべき施策としては、「本格的なPDCAサイクルへの移行、計画的な維持管理・更新、職員の技術力の向上、地方公共団体への支援などが必要だ」と述べた。
空港舗装維持管理マニュアル(案)については、舗装の変状の形態と要因、巡回点検の基本などを国交省東京航空局の担当者らが図表や写真を交えて説明した。
会議ではこのほか、空港舗装補修での留意点についての解説などが行われた。
提供:建通新聞社