2015/09/02
【群馬】中之条町が小水力発電所建設に着工
中之条町は、小水力発電の建設に本年度から着手する。小水力発電は、町所有の「花の駅美野原」に整備され、発電には敷地内を流れる四万川が源流の美野原用水を利用する。3年後の完成を目指して工事が進められ、完成年から発電を開始する計画だ。本年度の工事費は4000万円程度を予定しており、今月中にも発注される。来年度の工事費も同額程度になるもよう。詳細設計は、環境技術研究所(高崎市)が実施している。
時間あたりの最大出力は約140kW、最大使用水量は毎秒0・3立方mになる。発電に使う水を美野原用水から約15mのU字溝を敷設して、取水口となるコンクリート製の水槽に取り入れる。取水口から水車や発電機を設置する発電施設までは、L約360mの水路管でつなぐ。水路管はφ500oのFRPM管(L4m)を縦に複数本つなげて地中へ埋設する。有効落差は64・5mとなる。
発電施設内に設置する水車はクロスフロー式を採用する。施設の下部には水圧を戻すための水槽を設け、そこから用水に使用した水を流す。水槽と用水の間はL約15mで、600o×600oのボックスカルバートを検討しており、自動除塵機も設置する。
本年度は水路管や取水口(水槽)、発電施設の基礎部分、発電施設下部の水槽、水の取り入れと排出を行うU字溝およびボックスカルバート整備を発注し、年度内の完成を目指す。来年度は発電設備の建屋、水車や発電機といった設備内に設置する機械機具が発注される。水車はオーダー品のため、製造に時間が必要となることから、設置は3年後の完成となりそうだ。水車の完成が早まれば、発電施設の完成も早まる可能性がある。
発電した電力は、全て町も出資して設立された中之条電力に販売する予定。稼働中の町のメガソーラー3基で発電した電力も、すでに中之条電力へ販売。町の施設で使用する電力は、中之条電力から供給されている。東日本大震災の発生後、町は町内で電力を賄う試みを行っており、木質バイオマス発電なども検討している。