日本スポーツ振興センター(JSC)は1日、新国立競技場の設計と施工を一貫して手掛ける事業者を選ぶための公募型プロポーザル手続き(設計交渉・施工タイプ)を始めた。応募形態を▽単体▽共同実施JV▽分担実施JV▽併用(共同実施と分担実施)JV―の4パターンとし、2〜18日に参加表明書など、10月7日〜11月16日で技術提案書を受け付け、学識者委員会(委員長・村上周三東京大学名誉教授)による審査を経て、12月下旬に優先交渉権者を決める。2016年1月にまず基本設計・実施設計・施工技術検討業務、続いて16年12月をめどに設計意図伝達・工事・工事監理業務の契約をそれぞれ結ぶ見通しだ。
新国立競技場は、新宿区霞ケ丘町10ノ1他の旧国立競技場跡地などを利用して建設する。外国人建築家のデザインをベースにした従前計画の工事費膨張を受け、政府で再検討。20年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(五輪)で開催予定の▽陸上競技▽サッカー▽開閉会式―に必要な機能と、五輪時に確保する6万8000人程度の観客席のみ屋根を架けた約19万4500平方b規模のスタジアムとする新計画を立案した。20年4月30日までに完成させる。
コストの上限は設計・監理などが40億円、スタジアム本体・周辺工事が1550億円(うち先行実施予定の別途関連工事22億円)。まず契約する基本設計・実施設計・施工技術検討業務の規模は24億円(参考額)としている。
プロポの参加形態うちJVの3パターンを個々に見ると、「共同実施」は2〜6社のJV構成員が設計・施工・工事監理を共同で進める。また「分担実施」は設計、施工、工事監理をそれぞれ担当する企業で2〜3社JVを組む。
「併用」は設計、施工、工事監理の各業務に当たる単体またはJVが、業務全体を担うJVを編成する。設計と工事監理はJVの社数に制限はないが、施工のJVは最大6社とする。
技術提案書の評価項目と配点は▽業務の実施方針=20点▽コスト・工期(事業費縮減、工期短縮、維持管理費抑制)=70点▽施設計画(ユニバーサルデザイン、日本らしさ、環境、構造、建築)=50点―の3項目で140点満点。とりわけ工期短縮については20年1月31日を目標に技術提案を求め、その実現性を評価する。
提供:建通新聞社