国土交通省は、直轄工事で男女別トイレを標準的に設置する試行工事を実施することを決め、各地方整備局などに試行の現場を選定するよう文書で指示した。各事務所で3件程度の発注済み工事を選定し、すでに設置されている現場のトイレと男女別トイレを交換。新たに設置するトイレはリース品であることを求め、同省が作成した「建設現場における仮設トイレの事例集」などを参考に質の高いトイレを設置する。交換で生じる差額は実費精算で発注者が費用負担する。
8月31日付で各地方整備局に試行工事の選定・実施を依頼する文書を送った。国交省は昨年8月、建設業5団体と共同で「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定し、男女問わず誰もが働きやすい職場環境を創出する方針を打ち出しており、まず直轄工事の現場の環境改善を急ぐ。
試行工事の対象は、すでに発注済みの一般土木B・Cランクの工事(維持修繕工事や施工箇所が点在する工事は除く)を中心に、各事務所3件程度を抽出させる。現場の既設トイレと男女別トイレ(リース品)を交換するほか、女性用更衣室も必要に応じて設置する。女性用トイレのみに配慮するのではなく、男性用トイレの環境改善にも配慮する。
設置費用は、設置済みの既存トイレの費用(共通仮設費率分)と新たに設置するトイレの差額を実費精算で発注者側が負担する。既存トイレがある現場で、現場環境に配慮したトイレを追加で設置したり、新たに女性更衣室を設置する場合は、追加したトイレの設置費用を実費精算する。
新たに設置するトイレは、国交省の事例集や日本建設業連合会の「けんせつ小町が働きやすい現場環境整備マニュアル」などを参考に選定する。国交省が6月に作成した事例集は、メーカーから追加掲載の希望を募り、1日までに25社・38製品を掲載した「第2版」としてまとめた。同省ホームページで閲覧できる。
提供:建通新聞社