政府は今通常国会で改正され、8月1日から施行された「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、中小企業・小規模事業者の契約目標や受注機会を増大するための措置などを定めた基本方針を閣議決定した。15年度の契約目標は契約金額約3兆9568億円、国などの官公需予算総額に占める割合を54・7%とした。新規中小企業者(創業10年未満)向けの官公需契約額の総額に占める割合を、15年度〜17年度までの3年間で「14年度比でおおむね倍増の水準となるよう努める」とした目標も掲げた。
基本方針は国などの発注機関に対し、価格、数量、工程などからみて経済合理性や公正性などに反しないかどうか十分検討した上で、可能な限り分離・分割発注に努めるよう求めた。
中小企業・小規模事業者の特性に対する配慮も要請した。国などの発注者に対し、「おおむね従業員5人以下の小企業者を含む小規模事業者は、地域経済や雇用の重要な担い手になっている」と指摘した上で、一般競争では適切な地域要件の設定に努め、総合評価落札方式で地域精通度を評価する際にはこれを十分考慮し、受注機会の増大に努める、とした。特に地方公共団体に対しては、地域の建設業者を活用することで円滑かつ効率的な施工が期待できる工事の発注の他に、物件や役務の調達でも適切に地域要件を設定し、地域精通度などを適切に評価するよう要請した。
基本方針では、中小建設業者に対する配慮についても詳述した。
国などの発注者には、中小工事を早期に発注するなど、中小建設業者に特段の配慮を払うとともに、受注機会の増大に努めるよう求め、優良な工事成績を上げた中小建設業者には「一般競争や指名競争では、極力同一資格等級区分内の者による競争を確保した上で、施工能力などを勘案して上位等級に属する工事の競争にも参加できるようにする」など、積極的に受注機会を確保するよう注文。
さらに「地域の建設業者、専門工事業者など中小建設業者を活用することで効率的な施工が期待できる工事についても極力分離・分割発注を行う」など、中小建設業者の受注機会の増大に努めるよう促した。
提供:建通新聞社