国土交通省は、省エネ性能の優れた一定規模以上の建築物へのインセンティブとして容積率の特例措置を講じる。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)が2017年4月に施行されることを踏まえたもの。13年に設定した最新の省エネ基準(13年基準)を目安に、一次エネルギー消費量を1〜2割削減できればインセンティブを与える。
2000平方b以上の非住宅建築物に省エネ基準への適合を義務付ける同法では、省エネ性能の優れた建築物について「所管行政庁の認定を受けて容積率の特例を受けることができる」としている(エネルギー消費性能向上計画の認定)。
認定基準として示されているのは、エネルギー消費性能基準を超えるものとして経済産業省令・国土交通省令で定める「誘導基準」に適合することなど。
その誘導基準は、一次エネルギー消費量基準について、非住宅が13年基準よりも2割削減する水準、住宅が1割削減する水準とした。また、外皮基準は13年基準と同じにしている。
容積率の特例については、省エネ設備の設置に必要な床面積を容積率の算定から除外する。対象となる設備イメージとしては、太陽熱集熱設備、太陽光発電設備、燃料電池設備、コージェネレーション設備、地域熱供給設備などを挙げている。
これらの基準整備の方向は、20日に開かれた「建築物エネルギー消費性能基準等ワーキンググループ」と「省エネルギー判断基準等小委員会」の合同会議で明らかにした。会議では、建築物省エネ法に関するエネルギー消費性能基準(適合義務・適合性判定制度など)や、誘導基準(性能向上計画認定・容積率特例)の検討を進めている。
9月11日開催の次回会議で基準案(省令・告示案)を検討した上で10月ごろにパブリックコメントを実施。12月に政省令を告示する見込み。
提供:建通新聞社