国土交通省は、2014年度に創設した「公共工事に関する調査・設計及び設計等の品質確保に資する技術者資格」の登録規程を改正し、インフラ新設分野の調査・設計の民間資格を登録する18施設分野を追加する。登録規程の改正案は意見募集を9月17日まで行った上で、10月中旬にも告示、登録を希望する民間資格を公募する。すでに延べ50件の民間資格を登録した点検・診断にも「堤防・河道」「下水道管路施設」「土木機械設備」の3施設分野を追加し、13施設分野で追加登録を希望する民間資格を公募する。
登録制度は、社会資本整備審議会・交通政策審議会の技術部会がまとめた緊急提言に基づき、昨年11月に創設された。インフラの老朽化が深刻化する中で、まず点検・診断資格の登録制度が先行して創設され、ことし1月に10施設分野に延べ50件の民間資格が登録された。
国交省は、登録された民間資格を直轄工事の発注段階で活用。2015年度に早期発注された89件の点検・診断業務のうち、61件に登録資格の有資格者が配置(4月25日時点)され、総合評価やプロポーザルの加点評価などを受けた。
登録規程の改正で、同制度の枠組みにインフラ新設分野の調査設計を追加する。対象の施設分野は18区分の27業務で民間資格を登録する。点検・診断資格と異なり、成果物の技術上の照査を行う照査技術者の知識・技術を求める区分も設ける。
一方、点検・診断については、すでに登録規程に盛り込まれている10施設分野に「土木機械設備」(樋門、トンネル換気設備など)「堤防・河道」「下水道管路施設」の3施設分野を追加する。下水道については、水防法改正で管渠の5年に1度の定期点検が義務付けられる予定で、実際に業務を発注する自治体などに登録資格の活用を促す。
国交省は10月中旬に改正した登録規程を告示し、新設設計、点検・診断の双方で登録を希望する民間資格の公募を始める。16年度の早期発注に間に合うよう登録資格を選定する考えだ。
提供:建通新聞社