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2015/08/20

社保未加入対策 全国キャラバンに2500人参加

 国土交通省が5月から8月にかけ、全国10カ所で開いた建設業の社会保険未加入対策に関する全国キャラバンに、地方自治体や建設業などから合計約2500人が出席した。出席した建設業団体、建設企業からは、法定福利費の算出方法や標準見積書の作成手順についての質問が多く出た。同省は「社会保険加入の基本的な意識は高まっており、法定福利費を確実に移転させる施策の重要性を再認識した」(土地・建設産業局建設市場整備課)として、キャラバンで出された意見を今後の対策に生かす考えだ。
 全国キャラバンは、建設業向け、自治体向けの2部構成で開かれ、建設業関係で約1700人、自治体職員約800人が参加、国交省の説明に耳を傾けた。同省が2013年度に開いた同様の説明会に比べ、出席者は約500人増えたという。
 国交省は、建設業許可行政庁が今秋から行う社会保険加入指導の前倒し、直轄工事での未加入企業の排除などの詳細を説明。出席者からは、社会保険料の原資となる法定福利費の算出方法や標準見積書の作成方法などについて質問が集中。「下請けも社会保険加入に関する意識が高まり、標準見積書を提出している企業もある。元請けはしっかりと法定福利費を流してほしい」といった意見も聞かれ、国交省は「標準見積書を提出すれば、法定福利費を受け取ることができる事例も出始めている。無駄と考えず、継続して提出してほしい」などと回答したという。
 国交省は、全国キャラバンで出席者から出された意見を今後の対策に生かす方針。法定福利費については、建設業会計や経理実務における法定福利費の位置付け、取り扱いを解説する研修を今秋から全国10会場で開くほか、法定福利費を確実に移転させるための「別枠支給」「別枠明示」「事後精算」などの検討にも入る。
 
提供:建通新聞社