環境省は、ICT(情報通信技術)を活用したビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の拡大をはじめとした環境ビジネスの今後について展望、これを報告書にまとめた。環境ビジネスの市場規模も推計。2013年には過去最大の約93兆3000億円にまで国内市場が拡大した、との推計結果も示した。
報告書は、すでに拡大基調にあるICT(情報通信技術)をベースにしたBPOについて、資産情報管理業務や自動制御技術による運転業務など一部の業務はICTによる代行が可能となるため、民間企業が市場を形成できると指摘。
その上で、電力の小売り自由化に向けた再生可能エネルギー施設の増加とともに、点検・修繕対象となる設備が全国で増加し、今後、投資・運営を行う企業と点検・修繕を行う企業との分離が進行するとして「多様な設備の点検・修繕業務を共通の拠点網で効率的に実施できる企業が競争力を持つようになる」と予測。中小企業が単独でこうしたサービス像を実現することは困難であっても、多数の中小企業同士や中小企業が大手と連携することで可能になる、とした。
一方で、報告書は中小企業にとって大きな事業機会の創出が期待される分野・領域として、地球温暖化対策分野の「民生・産業省エネ」を挙げた。
政府がゼロエミッションビルディング・ハウス(ZEB・ZEH)に向けた取り組みを推進していることなどを指摘し、▽(環境配慮設計などの)建築物性能向上▽(有機EL照明などの)省エネ型設備機器▽(太陽光発電・燃料電池などの)創エネ型設備機器―の導入・普及が進むと予測。
さらに20年に予定されている「電力の小売りの完全自由化」に伴って省エネに関する設備やサービス市場が急拡大することが期待されるとして、省エネ市場の拡大が中小企業にとっての事業機会の創出につながるとの見方を示した。
提供:建通新聞社