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中央ニュース

2015/08/12

積算システム 自治体との共有化検討

 国土交通省は、土木工事の積算を発注者間で共有化・標準化するための検討を開始した。改正品確法の運用指針が「積算システムの発注者間の標準化・共有化」を求めていることを踏まえ、まず、積算における入札不調・不落対策や単純ミスを防止するための発注者向けマニュアルを作成した上で、国交省と自治体との積算システムの共有についても検討を開始する。
 運用指針では、公共工事の発注者が連携を強化し、発注者間で要領・基準類の標準化・共有化を図ることを求めており、積算基準もその対象の一つとなっている。
 国交省はまず、アンケート調査を行って各自治体の積算に関する現状把握と共有化に向けた課題を整理。短期的な取り組みとして、入札不調・不落や発注者による単純ミス・違算を防止するためのマニュアルを作成する。同省は、営繕工事の適正な積算を自治体に普及させる「営繕積算方式活用マニュアル普及版」をことし2月にまとめており、同様の趣旨で土木工事版のマニュアルを作成する。
 一方、国交省と自治体が積算システムを共有化するための制度設計も検討する。現在、同省が使用する積算システム「新土木工事積算システム」は、一部で共有化が図られているものの、大半の自治体は独自にシステムを構築している。
 このため、毎年4月に改定される土木工事積算基準が自治体の発注工事に適用されるまでには、システム更新に伴う数カ月のタイムラグが生じてしまう。
 ことし3月には、一般管理費率の引き上げなど大幅な基準改定があった。改定前の基準で積算した予定価格に一般管理費率などを手計算で反映させるなど、各都道府県の主導で迅速に改定後の基準を適用した都道府県もあったが、歩掛などの全ての改定内容をシステムに反映させるにはどうしてもタイムラグが生まれる。長期的な取り組みとして積算システムの共有化を検討し、各発注者が最新の施工実態を積算に反映できる体制を整える。

提供:建通新聞社