大手ゼネコンを中心とした36組合が加盟する日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)は、2015年度賃金交渉の中間報告をまとめた(7月21日時点)。加盟組合企業の多くが業績好調を維持するなか、月例賃金では妥結31組合のうち26組合がベースアップを獲得した。一時金は、24組合が昨年実績を上回る結果となっている。年収は同年齢加重平均で昨年より5・35%の増加。
ベースアップを要求したのは31組合で、このうち26組合がベアを獲得。加盟組合の7割以上がベアを獲得したのは、22年ぶりとなる。ベアの加重平均額は5768円。ベアと定期昇給を合計した昇給額は加重平均で1万5325円となっている。定期昇給を含めると7月21日時点で妥結している31組合の全てが昨年実績以上の水準を確保する結果となった。
一時金は28組合が妥結。要求時点で昨年を上回る加盟組合が相次ぎ、妥結している加盟組合の7割以上が昨年実績を上回る結果となった。その一方で、依然として慎重な姿勢を示す企業も少なくなく、要求に満たないケースや夏季のみの回答(冬は別途交渉)とするところも見られたという。加重平均は3・52カ月。
初任給については引き上げ要求を行った10組合のうち7組合で引き上げ。このほか、会社からの提示により17組合が引き上げとなった。これにより、日建協が賃金交渉基本構想の要求基準に掲げる「学卒年齢22歳総合職における21万円以上」を36加盟組合のうち27組合が達成したことになる。
日建協では今回の結果について、日建協個別賃金(14年度改訂)で示した「建設産業のあるべき賃金水準にはいまだ達していない」とみており、来期も加盟組合が連帯した上で、あるべき賃金水準の達成を目指すことにしている。
提供:建通新聞社