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中央ニュース

2015/08/11

20事業に専門家派遣 担い手育成、生産性向上

 国土交通省は、中小・中堅建設企業の生産性向上や担い手確保・育成の取り組みに対する「地域建設産業活性化支援事業」のうち、コンサルティング支援の対象事業20件を選定した。建設現場や中小企業経営の専門家らでつくる支援チームが、各企業グループによる事業計画の策定を継続的に支援する。今回は、公共土木から民間土木への進出による受注の平準化、他業種との連携による多能工の育成、元下の連携による工程管理・原価管理体制の構築などを目指す取り組みが支援対象に選ばれている。
 地域建設産業活性化支援事業は、中小・中堅建設企業の担い手確保・育成、生産性向上による事業力強化を支援するため、2015年度に創設された。コンサルティング支援の対象は、各地方整備局などに設置した相談窓口の利用企業などから選定した。
 生産性向上に取り組む支援対象のうち、住宅基礎PC化チャレンジチーム(東京都)は、防水工事業者と住宅基礎工事業者が連携し、住宅の基礎工事のプレキャスト化とともに、多能工の育成を目指す。高山市建設チーム(岐阜県)は、総合工事業者と法面工事の専門工事業者の連携により、住宅の法面や外構工事のメンテナンスなど、民間土木に進出し、公共工事に偏っていた受注の平準化を図る考えだ。
 担い手の確保・育成に向けては、地域の設備業者が集まった「現場人材に係る矢野&山本連携体」(北海道)が、配管設備工事の作業マニュアルや研修テキストを作成する。羽田建設(愛媛県)とうずくぼ工房(同)は、元請けと専門工事業による企業グループをそれぞれ結成し、現場単位で行ってきた工程管理・原価管理の体制を全社で構築することを目指す。
 支援対象となった企業グループは、1級施工管理技士や中小企業診断士、弁護士ら専門家の支援を受けながら、15年度末までに事業計画をまとめる。国交省は同事業のうち、上限300万円の経費助成を受けられる「ステップアップ支援」の対象も8月中をめどに選定する見通しで、これらの成果をケースブックとしてまとめ、先進的な取り組みとして全国に展開する方針だ。
 支援対象に選ばれた企業グループは次の通り(かっこ内は所在地、事業管理者)。
 ▽住宅企画クリエーション&ハルキの連携体(北海道、住宅企画クリエーション)▽現場人材に係る矢野&山本連携体(北海道、矢野電器)▽大船渡・陸前高田地域再生事業協同組合(岩手県)▽工場と現場を兼ねる建設業の連携体(栃木県、銅藤)▽長野県内専門工事業2社連携体(長野県、長野コンクリートサービス)▽住宅基礎PC化チャレンジチーム(東京都、大同ポリマー)▽地域工務店協業グループ(神奈川県、鈴木建設事務所)▽阿賀野市・阿賀町人材確保連携体(新潟県、小菅建設興業)▽天峰建設・渡邊商店未来活性化(静岡県、天峰建設)
 ▽高山市建設チーム(岐阜県、塩屋建設工業)▽Dスルー工法連携チーム(愛知県、大津鉄工)▽ダム・湖沼の浚渫基幹技術・工法共同事業体(大阪府、日本海洋サービス)▽神戸の防災を支える企業ネットワーク(兵庫県、神防社)▽三大(サンダイ)プロジェクト(兵庫県、吉井建設)▽ゼロエミッション朝来(兵庫県、煌石)▽但馬の匠を育てる会(兵庫県、袖長建設)▽型枠加工設備の自動化事業プロジェクト(兵庫県、中村建設ナカフサ)▽安芸高田市ブランド住宅事業協同組合(広島県)▽羽田建設連携体(愛媛県、羽田建設)▽うずくぼ工房連携体(愛媛県、うずくぼ工房)

提供:建通新聞社