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中央ニュース

2015/08/10

施工パッケージ 簡素化・時間短縮に効果

 国土交通省は、2012年10月から導入を開始した施工パッケージ型積算方式について、導入工事の受発注者を対象とするフォローアップ調査を行った。調査結果によると、同方式を導入した効果については、受発注者ともに「積算の簡素化、時間短縮」を挙げる意見が最多。一方、課題としては「歩掛廃止による影響」を挙げる受発注者がともに最も多く、施工パッケージ単価の導入で積算の内訳が不明になったり、施工日数の把握が困難になることを懸念する意見が多く挙がった。
 施工パッケージ型積算方式では、直接工事費の積算に施工単位ごとの機械経費・労務費・材料費を含んだ施工パッケージを使用する。12年10月に63件、13年10月に145件の施工パッケージが導入されたことに加え、ことし10月にも111件の施工パッケージが導入される予定で、対応率は60%を占めることになる。
 調査は、14年度に施工パッケージ型積算方式を使用した直轄工事のうち、822件の受発注者に対して行われた。
 調査では、導入開始から約3年が経過し、受発注者ともに同方式を記載している積算基準書(適用範囲、条件区分など)への理解度の向上がみられた。積算基準書を「使いこなせている」と回答した発注者は90%、受注者は81%に上った。
 同方式の導入効果を問う設問では「積算の簡素化、時間短縮」を挙げる意見が受発注者ともに最多だった。特に、受注者側に時間短縮の効果を感じる傾向が強く、積上方式と比べ、積算に要する時間が短縮できていると答えた受注者は49%と約半数いた。また、同方式の導入で、単価協議が円滑になったと回答する発注者は18%、受注者は34%にとどまっている。
 一方、同方式の課題については「歩掛廃止による影響」を挙げる回答が、受発注者のいずれも最多だった。施工パッケージの導入に伴い、廃止された歩掛はことし10月の導入で396件になる予定。歩掛からの移行が進むことで、発注者の45%、受注者の61%が「内訳(構成)が不明、施工日数等の把握が困難」、発注者の17%、受注者の14%が「単価の妥当性が確認しづらい(違算に気付かない恐れ)」と答えた。
 国交省は、今後も同方式の導入効果を引き続き検証するとともに、16年10月に4回目の施工パッケージの拡大を図る方針だ。

提供:建通新聞社