日本電設工業協会(電設協、山口学会長)は、「社会保険加入状況等の実態調査」の結果をまとめた。企業会員協力会社(1次)の健康保険加入率は1%、年金保険加入率は0・7%、雇用保険の加入率は4・8%それぞれ前回調査(2011年11月)よりも上昇していることが分かった。法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況についても調査。注文者に「全く提出していない」と回答した会員企業が49・8%に上った。
調査は15年2月2日〜同月25日に掛けて実施。企業会員203社(70%)、団体会員45団体(96%)から回答を得た。
企業会員の加入率は、健康保険、年金保険、雇用保険ともに100%。協力会社の加入率は、健康保険が11年比1%増の92・4%、年金保険が0・7%増の91・2%、雇用保険が4・8%増の88・1%だった。
企業会員に法定福利費を内訳明示した見積書の注文者への活用状況を聞いたところ、「全て提出している」との答えは4・9%にとどまり、「全く提出していない」との回答が49・8%を占めた。
注文者に法定福利費を内訳明示した見積書を提出していない理由について尋ねたところ「注文者から提出するよう指示がなかった」(38・6%
)との回答が最も多く、次いで「注文者が総価格しか見ないなど提出しても意味がないと考えたため」(15・5%)、「見積書が指定様式であった」(11・3%)、「公共工事でないから未提出」(10%)などの答えが多かった。
この調査では、注文者に法定福利費を内訳明示した見積書を提出した結果についても聞いた。
「見積金額全額を支払われる契約となった」(21・6%)ケースがある一方で、「法定福利費の一部を含み減額された」(13・5%)契約や、「見積総額は減額されたが法定福利費は減額されない」(18・2%)契約となったケースもあった。
電設協は2012年度に16年度までの5年間を実施計画期間とする社会保険加入促進計画をまとめ、企業会員(正会員319社)に対し、国土交通省の「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」に基づく、それぞれの協力会社への指導・啓発と、協力会社を通じた2次下請け以降への周知・啓発を要請。中間の14年度に社会保険加入状況の実態調査を行うことにしていた。
提供:建通新聞社