建設産業担い手確保・育成コンソーシアム(事務局・建設業振興基金)は31日、建設技能者の教育訓練体系の構築を目指している「地域連携ネットワーク構築支援」の2014年度実施団体の成果報告会を開いた。冒頭で振興基金の内田俊一理事長は「この事業が終了する5年後には教育訓練の仕組みが自立運営″されることを到達目標にしたい」とあいさつした。
コンソーシアムは、各現場で行われている技能労働者の教育訓練を各地域の建設業団体、行政機関、職業訓練校、教育機関などの連携によるOFF−JTで担うことができる体制の構築を目指し、昨年度に発足した。地域連携ネットワーク構築支援の対象に選ばれると、最大300万円の事業費が支援される。
31日の成果報告会では、14年度に支援先に選ばれた▽兵庫県建設業協会▽長崎県建設産業団体連合会▽みやぎ建設総合センター▽群馬県建設業協会▽石川県建設業協会▽愛知県建設業協会▽関西鉄筋工業協同組合―の7団体がプレゼンテーションを行った。
兵庫県建設業協会は14年度、年間300万円の支援を受け、協議会組織などの具体的な体制を整備する「実施事業」に選ばれた。同協会を中心に各職種の建設業団体、近畿地方整備局、県などが参加した「兵庫県建設産業担い手確保・育成地域連携ネットワーク会議」が設置され、県内の三田建設技能研修センターと連携し、職業訓練、インターンシップ教育、出前教育などを行った。
同じく実施事業に選ばれた長崎県建設産業団体連合会は、産学官連携建設業人材確保育成協議会の支援を受け、技術者・技能者の教育訓練システムの構築に着手した。富士教育訓練センターに教育訓練の講師を派遣し、教育訓練ノウハウの共有も図った。
一方、教育訓練体系の実態を把握するための費用を支援される「予備調査」の対象となった愛知県建設業協会は、予備調査の成果として、岐阜県、三重県、静岡県の建設業協会などと「中部圏担い手育成ネットワーク協議会」の発足につなげた。15年度は4県それぞれが実施事業に移行し、4県合同で建設業新人関係フォーラムを開くとともに、各県単位で入社後2〜3年目の職員を対象とした研修、新入社員研修、若手社員フォローアップ研修を開く。
提供:建通新聞社