国土交通省は、直轄工事における現場トイレの環境改善を目的とするモデル工事を実施する。各事務所が3件程度のモデル工事を実施し、施工者が従来よりも質の高いトイレを現場に設置した際、国交省が実費精算で費用を負担する。2015年度中に数百件のモデル工事を行って実績を重ね、16年度から仕様・積算基準で対応した標準化″を図る方向で検討する。
昨年8月、国交省と建設業団体は、建設業の女性技術者・技能者を倍増させるための「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定。行動計画では、女性も働きやすい現場環境を整備するため、トイレ・更衣室などの改善を図る方針が示されていた。
14年度は、女性技術者の登用を促すモデル工事の中で、女性用トイレの設置費用などを実費精算で負担する取り組みを実施。15年度はこうした取り組みを加速させるため、女性技術者の登用を促すモデル工事以外でも、トイレの環境改善を図るためのモデル工事を行う。
施工中の工事を原則として、モデル工事の対象を各事務所3件程度抽出し、質の高いトイレを新たに設置した施工者に、従来のトイレとの差額分を実費精算で国交省が負担する。各施工者には、ことし6月にまとめた「建設現場における仮設トイレの事例集」なども参考に、より質の高いトイレをリースで設置してもらう。
モデル工事の実施状況を踏まえ、直轄工事で使用する現場トイレの使用を固め、積算基準を設定することで積算段階で設置費用を負担できるようにする。新たな基準・仕様を2016年度の発注工事から適用できるように検討を進める。
提供:建通新聞社