建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)は15日、建設業の担い手確保・育成に活用できる公的支援に関する説明会を東京都港区の建設業振興基金で開いた。国土交通省、厚生労働省、法務省が所管する助成金や支援制度を説明し、建設業団体39団体の担当者が耳を傾けた。国交省土地・建設産業局の屋敷次郎建設市場整備課長=写真=は「公的な施策と企業の育成方針をマッチさせ、雇用・育成に向けた具体的な行動につなげてほしい」とあいさつした。
国交省は、建設業の担い手の確保・育成に向けて現在進めている支援策などを説明。企業グループが行う教育訓練を支援する「地域建設産業活性化支援事業」、建設業における女性の活躍を支援する「もっと女性が活躍できる建設業地域協同推進事業」などに加え、現場の入退場管理により、技能労働者の技能と経験の見える化を図る「就労履歴管理システム」について解説した。
厚労省は、建設業の若年労働者の入職や定着を支援する「建設労働者確保育成助成金」について、2015年度の改正内容を周知した。「足場組立等に係る特別教育」が技能実習コースの助成対象となったほか、10月1日以降に開始する技能実習コースで事前に計画届の届出を求める。
今回、初めて説明会に参加した法務省は、刑務所出所者らを雇用、更生に協力する「協力雇用主」への支援制度を説明。出席者に刑務所出所者らの社会復帰への協力を訴えた。協力事業主に対しては、地方自治体約60団体が公共工事の入札参加資格審査や総合評価などでインセンティブを講じており、15年度からは同省発注の矯正施設の総合評価でも加点措置を与える予定。
また、国交省は説明会終了後、同じ出席者らを対象に「専門工事業団体における担い手確保・育成に関する取り組み発表会」を開催。全国基礎工業協同組合連合会、全国鉄筋工事業協会、日本塗装工業会、全国建設室内工事業協会の4団体が、職業訓練や資格制度の創設といった、これまでの取り組みを説明した。
提供:建通新聞社