国土交通省は、高速道路機構・高速道路会社の道路公団民営化後における業務点検結果をまとめた。この中では、老朽化対策への対応強化を図る方向性が示され、具体的に機構が高速道路会社のコスト縮減などを促すために行っている「インセンティブ助成制度」の早期見直しを要請。修繕分野に制度が活用されるよう、手続きの見直しや助成割合の引き上げなどを求めた。
高速道路機構と高速道路会社の業務点検は、道路公団民営化後10年を契機に行われたもの。機構・会社自らが点検を行うとともに、有識者による検討会の意見も反映し、まとめられた。
インセンティブ助成は、高速道路会社が工事のコスト削減や新技術を積極的に導入した際に、機構が経営努力により縮減額の2分の1を助成する制度。これまでの実績は、新設・改築事業で23件ある一方、修繕事業は1件にとどまっている。
今回の点検で、活用が進まない背景として、高速道路会社による修繕工事計画書の作成が助成金の手続きに間に合わないことがあると分かったため、計画書の提出時期の変更、申請書類の簡素化といった運用改善を早急に図ることが求められた。
また、高速道路でガソリンスタンドが100`以上ない「空白区間」が全国に83区間あることを問題視。路外ガソリンスタンドの活用による空白区間の積極的な解消、高速道路事業によるガソリンスタンドの整備などで、空白区間を早期に解消することを要請した。
提供:建通新聞社