帝国データバンクがまとめた全国企業倒産集計で、2015年上半期の建設業の倒産件数が前年同期比15%減の802件となり、上半期だけでみると10年以降6年連続で前年同期を下回った。北陸新幹線が開業した北陸、震災復興需要が続く東北の減少幅が大きく全体の倒産件数を押し下げた。
全産業の上半期の倒産件数は7・5%減の4400件、負債総額は8・3%減の9752億0600万円だった。全7業種で前年同期より倒産件数が減った。
建設業の倒産件数を業種別で見ると、総合工事業が19%減の324件、職別工事業が1・3%減の309件、設備工事業が26・5%減の169件だった。地域別では、前年同期と同数だった四国を除き、8地域で前年同期よりも倒産件数が減った。東北は30・8%減、北陸は34・3%減と、30%を超える大幅な減少となっている。
帝国データバンクは、建設業の倒産件数の減少について「公共工事が下支えしてきた背景がある」と分析する反面、「ここにきて公共工事は減少傾向にあり、公共投資への依存度が高い地方では、建設業の景況感が悪化するなど、警戒感が強まりつつある」と見ている。
提供:建通新聞社