国土交通省は、一部の自治体で行われている歩切りの根絶に、全ての都道府県と連携して取り組むことで合意した。7日、関東の都県の監理課長や契約担当課長らを集めた「ブロック監理課長等会議」がさいたま市で開かれ、歩切りを行っている自治体に、早期取り止めを働き掛ける申し合わせを行った。これにより、5月から開かれている同会議の全7ブロックで、同様の申し合わせが行われたことになる。
申し合わせは、2015年度に本格施行された改正担い手3法(改正品確法、改正建設業法、改正入札契約適正化法)の着実な運用に、ブロック監理課長等会議の構成員である都道府県の入札契約担当部局と国交省が連携して取り組むことを確認する内容。
特に、改正担い手3法を着実に運用する第一歩″として、改正品確法の運用指針などに盛り込まれた歩切りの根絶を目指し、国交省と都道府県が歩切りを取り止めようとしている管内の市区町村への助言・支援、市区町村長・議会議長への周知に連携して取り組むことが合意された。
監理課長等会議は5月25日の北海道・東北を皮切りに、全国7ブロックで開かれたもので、7日の関東を最後に全ブロックで全都道府県の合意による申し合わせが行われた。
国交省は全自治体を対象とする実態調査で、全体の42・3%に当たる757団体が何らかの形で歩切りを行っていることを把握しており、監理課長等会議でも出席した都道府県担当者とこの調査結果の情報を共有。一部の都道府県では個別に歩切りを行っている市区町村に取り止めを働き掛ける動きも出始めているという。
国交省は、歩切りの根絶をはじめとする改正担い手3法の本格運用に、各地の実情に通じた都道府県が重要な役割を果たすことを期待しており、「(都道府県が構成員となる)監理課長等会議を改正担い手3法を全国に浸透させるためのプラットフォーム″にしていきたい」(土地・建設産業局建設業課入札制度企画指導室)と話している。
歩切りの根絶に向けては、実態調査で歩切りを行っていると回答した757団体に対する追加調査を進めており、歩切りを取り止める意思のない自治体は、早ければ年内にも自治体名の公表に踏み切る方針だ。
提供:建通新聞社