建設経済研究所がまとめた2015年3月期(14年度)の主要建設会社決算分析によると、大手から中堅まで上位40社の単体受注高の総計が、リーマンショック前とほぼ同水準の12兆7681億円まで回復したことが明らかになった。前年同期比では10・6%増となり、19・5%増となった前年度に続き、2年連続で2桁の伸びとなった。営業利益についても、利益額・利益率ともに全階層で上昇し、全40社が営業黒字を確保した。
受注高(単体)の総計は10・6%増の12兆7681億円。階層別では、大手5社が5・9%増の6兆4966億円、準大手9社が21・4%増の3兆7696億円、中堅24社が8・7%増の2兆5019億円となり、準大手の上昇幅が最も大きくなった。
受注高を工事種類別でみると、建築部門は6・8%増の8兆3798億円で、景況感の改善などから堅調に推移し、消費増税前の駆け込み需要があった前年同期と比べても全階層で増加を維持した。土木部門は、外環本線シールド工事が受注高全体を押し上げ、20・6%増の4兆0831億円と2年連続の大幅な伸びとなった。
連結の営業利益は、利益額・利益率ともに増加、上昇し、全40社で営業黒字を確保した。営業利益額は50%増の4593億円、利益率は1ポイント上昇の3.3%となった。当期純利益(連結)も、経常利益と特別損益の改善により、利益額・利益率ともに全階層で改善。利益額は40・2%増の3260億円、利益率は0・5ポイント増の2・3%となった。
建設経済研究所は15年3月期の決算について「昨年の段階では、資材・人件費の高騰から、各社が控えめな業績を予想をしていたが、各社の収益力向上が鮮明になる結果となった」と話している。
提供:建通新聞社