国土交通省は9日、同省による道路橋・トンネルの「直轄診断」を希望する地方自治体の公募を始めた。7月9日まで各地方整備局などで自治体からの申請を受け付け、夏までに対象施設を選定する。構造が複雑だったり、損傷の度合いが著しい道路橋・トンネルについて、国交省職員でつくる「道路メンテナンス技術集団」を派遣し、技術的な助言を行う。
国交省は、昨年7月に道路管理者に道路橋・トンネルの定期的な点検・診断を義務付けたことに伴い、道路管理者である自治体への支援策として直轄診断を始めた。
14年度は、三島大橋(福島県三島町)、大前橋(群馬県嬬恋村)、大渡ダム大橋(高知県仁淀川町)の3橋の直轄診断が試行され、ことし1月までに各自治体に診断結果が報告された。このうち、三島大橋と大渡ダム大橋については、それぞれの管理者が「修繕代行事業」とすることを決め、修繕工事も国交省が引き継ぐことになった。
9日に始めた公募の対象は▽吊り橋・斜張橋・アーチ橋・長大橋など特殊な構造物・大規模構造物▽アルカリ骨材反応・塩害・疲労破壊などの損傷が著しく、診断・修繕に高度な技術力が必要な構造物▽建設後50年以上が経過して劣化が深刻―などが例示されている。
提供:建通新聞社