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2015/06/05

高齢者の厚生年金加入にメリット 国交省が解説

 国土交通省は、建設業の社会保険未加入対策を全国の建設企業などに説明する「全国キャラバン」で、高齢者が厚生年金保険に加入する際のメリット″を訴えている。現在、厚生年金の受給資格を得るためには最低25年間の保険料納付が必要だが、2017年4月1日に施行される新制度で、受給資格を得られる納付期間が10年に短縮されるため、高齢になってから加入しても受給資格を得られる可能性が高まる。
 厚生年金保険に未加入者には「いまさら加入しても年金の受給資格を得ることはできない」といった声が以前からある。国交省は、こうした声に対し、高齢者が厚生年金保険に加入するメリットを3点提示した。
 その一つが厚生年金保険の受給資格期間の短縮。2012年に成立した社会保障と税の一体改革推進法が2017年4月1日に施行されると、保険料を10年以上納付すれば老齢基礎年金の受給資格を得られるようになる。このため「これまで加入期間の不足で年金を受給できなかった多くの方が受給資格を得られるようになる」としている。
 また、厚生年金に加入していれば、病気・ケガによる障害を負った場合に、障害の程度に応じて障害年金が受給され、万一死亡しても遺族に遺族年金が支給される。厚生年金に加入している65才未満の被保険者の配偶者は、国民年金の第3号被保険者となり、配偶者本人に国民年金保険料の負担は生じない。
 国交省は、7月まで全国10会場で開催している社会保険未加入対策の全国キャラバンで、参加者に社会保険に対する理解を深めてもらい、建設業の社会保険加入を推進したい考えだ。

提供:建通新聞社