新事業や新しい建設業に挑戦する建設経営者の集まりである、建設トップランナー倶楽部(代表幹事・米田雅子慶大特任教授)の富山県視察研修が、5月29日から31日の日程で開催された。取材は地方の建設専門紙19社で構成する「地方建設専門紙の会」が当たった。
視察研修には米田代表幹事のほか、北海道や青森、岩手、宮城、新潟、東京、神奈川、静岡、岐阜、愛知、和歌山、鳥取、島根、愛媛から経営者ら約30人が参加した。
初日の冒頭、同倶楽部の幹事で、今研修の世話役を務めた大高建設(黒部市)の大橋聡司社長が「北陸新幹線が開業し、富山の駅周辺は賑わっている。私の地元である宇奈月温泉の来客数も対前年169%の伸びを示している」、米田代表幹事は「全国的に有名な富山市のコンパクトシティと環境未来都市に携わった関係者から直接話しが聞けるのは光栄なこと。地域再生大賞の東海・北陸ブロック賞を受賞した、でんき宇奈月プロジェクトの大橋社長に直接案内してもらえる。黒部ダムの竪坑も関西電力の社客として入れる。盛りだくさんの内容であり、みんなで楽しみたい」とあいさつ。
一行はその後、立山町の天林太陽光発電所(富山県環境技術事業協同組合事業)、富山市中大浦の「とやまペレット」木質ペレット工場(丸新志鷹建設且幕ニ)を視察。引き続き、新日本コンサルタントの平田和幸事業推進部部長、大門健一都市計画グループ課長が同行し、富山市中心市街地の賑わいの拠点であるグランドプラザを見学した後、バスの車窓からLRTや富岩運河環水公園などを見て回った。
会場を県建設会館に移し、大門課長が富山市のまちづくり戦略「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」をテーマに講演。富山ライトレールや市内電車環状線化事業の整備効果、中心市街地活性化への活動状況などを紹介した。丸新志鷹建設の志鷹新樹社長は、「中小建設業の現状と挑戦」と題し、ネパールとブータンで受注した工事の概要、施工管理の状況、今後の取組と課題などを説明した。
30日は、黒部市のYKKパッシブタウン建設現場、宇奈月ダムなどを視察。大橋社長が大高建設グループによる新分野進出の事例、代表理事を務める、でんき宇奈月プロジェクトの事業概要を解説した。31日には、黒四発電所や黒部ダムなどを見学した。(地方建設専門紙の会)
提供:建通新聞社