国土交通省と都道府県・政令市の営繕担当で構成する「全国営繕主管課長会議」は、官公庁施設の設計業務に関する実態調査の結果をまとめた。2013年度の1年間でプロポーザル方式を1件以上採用した都道府県・政令市は59・7%と3年前の前回調査より8・2ポイント上昇。一方、市町村は5・8ポイント増の18・9%と前回調査よりも増えたが、都道府県・政令市との間に大きな差がある状況は変わっていない。
この調査は、地方自治体の設計業務委託に関する運用状況を調査し、情報共有を図ることで、官公庁施設の設計業務全体の品質確保を図るために3年に1度行っている。今回の調査には、47都道府県、20政令市、509市町村の合計576団体が回答した。
設計者選定で、13年度の1年間にプロポーザル方式を1件以上実施した都道府県・政令市は59・7%、市町村は18・9%と大きな開きが出た。設計業務の発注を入札(総合評価または競争入札)としている理由として、市町村は「過去に実施した例がない」が最多の45・2%、「設計工程の余裕がなくなる」の38・2%、「手間をかけられない(人手不足など)」の36・4%などが続いた(複数回答あり)。
設計者選定以外では、建築設計委託業務の成績評定について、都道府県・政令市の85・1%が「実施している」としたが、市町村で「実施している」と回答した団体は25・9%と全体の4分の1に過ぎなかった。
また、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を11〜13年度に活用した都道府県・政令市はゼロで、活用予定と答えたところもなかった。
提供:建通新聞社