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2015/06/04

国交省 技術提案・交渉方式ガイドライン

 国土交通省は、価格・工法などを交渉した上で契約する「技術提案・交渉方式」の運用ガイドラインをまとめ、2日付で各地方整備局に通達した。技術的難易度が高く、発注者による最適な工法選定が困難な場合などに適用する。技術提案に基づいて選定した優先交渉権者と価格などを交渉した上で仕様を確定し、予定価格を定めて契約する流れ。「設計・施工一括」「技術協力・施工」「設計交渉・施工」の三つに契約タイプが分類されている。
 同方式は、改正品確法で新たに規定されたもの。適用するのは、発注者が最適な仕様を設定できない工事、仕様の前提となる条件の確定が困難な工事の2種類。ガイドラインでは「高度な工法などの活用が必要な高架橋掛け替え工事」や「構造的に特殊な橋梁における大規模で複雑な損傷の修繕工事」などを例示している。
 契約タイプの選定に当たっては、公示段階で仕様の前提となる条件が確定していれば、「設計・施工一括」を採用する。前提条件が不確定でかつ、設計の品質確保や効率的な設計のために施工者による設計が必要な場合は「設計交渉・施工」、不要な場合は「技術協力・施工」を選ぶことになる。
 このうち、「設計・施工一括」は、優先交渉権者と設計・施工を一括で契約するタイプ。総合評価落札方式での設計・施工一括発注方式とは異なり、価格交渉時に詳細な設計条件と施工条件を発注者と施工者が合意した上で設計・施工契約額を確定する。
 「技術協力・施工」では、優先交渉権者と技術協力業務の契約を締結する。その上で別契約に基づき実施している設計に技術提案内容を反映させ価格などを交渉し、施工契約を締結する。設計者は設計への、施工者は技術協力と施工への責任を負うことになる。
 もう一つの契約タイプ「設計交渉・施工」は、優先交渉権者と設計業務を契約した後、設計段階で価格などを交渉し、施工契約を締結する。設計と施工を2段階で契約する点が設計・施工一括タイプと大きく異なる。
 ガイドラインではこのほか、設計・施工一括と設計交渉・施工の両タイプについて、設計者を含む3者構造に比べて「工事費に関するチェック機能が働きにくい」とし、工期・工事額に目標を設けたマネジメント契約を結び、工事費をコスト+フィーで支払うことも考えられるとした。ただし、この場合、契約図書の整備や積算基準の見直しが必要となるとして、今後の検討課題とした。

提供:建通新聞社