復興庁は3日、2016年度以降の復興事業について、自治体負担となる対象とその負担割合を示した。道路整備(直轄・補助)や社会資本整備総合交付金(復興)、東日本大震災復興交付金(効果促進事業)など13種類の事業を対象とし、本来の地方負担分の5%を求める内容。各対象事業費の1〜3%程度に相当する額で、今後5年間の被災自治体による負担総額は300億円程度に上るとみられる。このほか、社会資本整備総合交付金(復興)のうち一般会計に移行する事業の考え方も整理した。
自治体負担を求める事業は、▽道路整備(直轄・補助)▽港湾整備(直轄・補助)▽社会資本整備総合交付金(復興)▽水産基盤整備▽農山漁村地域整備交付金▽循環型社会形成推進交付金▽河川整備▽東日本大震災農業生産対策交付金▽農村地域復興再生基盤総合整備▽被災海域における種苗放流支援▽交通安全施設など整備▽地籍調査費負担金▽東日本大震災復興交付金(効果促進事業)―の13事業。
ただし、道路整備の三陸沿岸道路整備事業は対象としない。旧避難指示区域にある12市町村で各市町村が実施するもの、循環型社会形成推進交付金の実施事業で原子力事故災害に由来するものも、自治体負担をゼロとする方向。
自治体負担の在り方としては、事業費のうち国庫補助金などを除いた地方負担の95%を震災復興特別交付税により措置。このため、県や市町村の負担は本来の地方負担の5%となる。
例えば、地方負担が2割の東日本大震災復興交付金(効果促進事業)での実質的な負担率は1%(=地方負担20%×5%)。このほかの主な事業の実質負担率は直轄道路1・7%、社総交道路2・3%。災害復旧(直轄)は全額を震災復興特別交付税で措置する。
今後5年間の自治体の負担総額は300億円程度を見込む。被災3県が公表した事業費を基に、復興庁が聞き取り調査したもので、岩手県70億円、宮城県50億円、福島県100億円となっている。市町村分の内訳は明らかになっていない。
また、社会資本整備総合交付金(復興)のうち一般会計に移行するのは、道路事業と砂防事業。ただし、道路事業で岩手・宮城・福島の各県のうち東北自動車道以東で実施するもの、青森・茨城・千葉・長野の各県のうち太平洋沿岸の自治体(太平洋沿岸から5`b以内の事業を含む)で実施するものは除く。
砂防事業では、岩手・宮城・福島の各県のうち、沿岸市町村・避難解除など区域の12市町村実施事業、東日本大震災で土砂災害が発生した箇所での災害防止事業などが対象外となる。
このため、15年度以降に継続する事業全体の2割(65カ所)が一般会計に移行する見込み。
提供:建通新聞社