日本建設情報総合センター(JACIC)が中心となり、建設関係団体で構成する「CIM技術検討会」は、2014年度の活動報告をまとめた。14年度は施工段階で活用するCIMモデルを調査・設計段階で作成する検討に着手。施工者側の日本建設業連合会(日建連)と設計者側の建設コンサルタンツ協会(建コン協)が合同でワーキンググループを設置し「CIMトンネルモデル作成ガイドライン」の検討を始めた。6月には、橋梁・河川・ダムの3分野でも同様のWGを発足させ、15年度中にガイドラインをまとめる。
技術検討会は、公共事業へのCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の実現に向け、12年度に関係する民間団体など12機関で設置した。制度上の課題解決や試行業務・工事について議論する、国交省の「CIM制度検討会」と連携し、CIMの導入に向けて検討している。
国交省の設計段階の試行では、業務を受託する設計者と調査者・施工者が意見を交わす場がなく、形状や属性などのCIMデータの流通に支障がでるとの懸念がある。このため、技術検討会ではWGを設置し、施工者がCIMモデル・データを効率的に利用するための設計者向けのガイドラインの作成に着手した。
14年度のトンネル分野に続き、15年度は橋梁・河川・ダムの3分野でもWGを設置し、15年度中に4分野のガイドラインをまとめる。今後は、日建連と建コン協に加え、オープンCADフォーマット評議会、全国測量設計業協会連合会、全国地質調査業協会連合会の3団体も加わる予定だ。作成するガイドラインは、国交省が16年度にまとめる「CIM導入ガイドライン」に反映させる。
14年度はこのほか、建設機械、コンクリート二次製品などの「3次元モデル部品」を無償でダウンロードできる専用サイトを立ち上げたほか、CIMモデルの詳細度(LOD、レベル・オブ・ディティール)の国内外の事例収集などを行った。
提供:建通新聞社