国土交通省が2014年度に派遣した「ベトナム訪問団」で、参加した中小・中堅建設企業16社の全てが2017年までに同国への進出を計画している。訪問団に参加した企業のうち村上組(香川県)とタケウチ建設(広島県)の2社は、国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業の案件化調査に採択され、進出を具体的に検討中。技能実習生などとしてベトナム人材の採用を決めた企業も5社ある。
国交省は14年11月、中小・中堅建設企業向けにベトナムを対象国とする海外進出戦略策定セミナーを開き、ベトナム進出に向けた事業計画の作成をサポートした。同年12月には訪問団を結成し、日系建設企業への視察や現地企業とのマッチングなどを行った。
国交省によると、この訪問団に参加した16社は全て、事業計画に17年までに同国へ進出すると記載。このうち2社はことし3月、JICAの中小企業海外展開支援事業の案件化調査に採択された。同事業は、日本の中小企業が持つ製品・技術を途上国で活用する経費を3000万円まで支援するもので、村上組は「MITS工法」による地盤改良技術、タケウチ建設は杭を使用しない直接基礎構造の「TNF工法」の活用を提案している。
また、在日ベトナム人留学生や技能実習生の採用を決めた企業も5社ある。日本国内で育成した上で、ベトナム進出時の現場などに従事してもらう。また、ベトナムを再訪問して現地視察を行ったり、市場調査を継続している企業も9社あるという。
国交省はまた、今月12日にインドネシアを対象国とする海外進出戦略策定セミナーを開催した。訪問団は6月15日〜19日の5日間の日程で現地を視察する。専門工事業・ゼネコン、建設機材製造・販売会社など13社が参加する予定だ。
14年度のベトナム訪問団に参加した企業は次の通り(3社は非公表)。
▽奥山(千葉県)▽小宮山土木(長野県)▽河津建設(静岡県)▽木下組(広島県)▽日本構造エンジニアリング(東京都)▽日本ベース(東京都)▽村上組(香川県)▽オムテック(東京都)▽七呂建設(鹿児島県)▽タケウチ建設(広島県)▽田中建設(福井県)▽ニッコン(東京都)▽森長組(兵庫県)
提供:建通新聞社