日本道路建設業協会(道建協、三好武夫会長)は「道路建設業中期ビジョン2015」を策定した。今後10〜15年の間に道路建設業が目指すべき理念・目標として「メンテナンス時代の戦略的舗装システムの確立」、受注産業から「道路の建設から監理までのトータルマネージャー」「若者が一生を託せる産業」への転換、10年で5割アップを目標とする「生産性の向上」と、その根幹となる「建設・管理技術開発の推進」―など五つの理念・目標を掲げた。
ビジョンは、道路などへの安定的・継続的な社会資本が日本の活力を取り戻す―などとして、社会資本投資を10年間で6兆円から8兆円に増やすよう提案。その上で、受注産業からの転換を標榜、「メンテナンス時代の戦略的舗装システムの確立」「道路の建設から監理までのトータルマネージャー」「若者が一生を託せる産業」「生産性の向上」「建設・管理技術開発の推進」の五つを理念・目標として掲げた。
その上で、会員企業自らが果たすべき役割と責務、実行すべき事項を「宣言」事項として、関係機関などに対し支援を求める事項については「要請・提案」事項として整理した。
宣言事項では「道路空間全般の保守管理を行う総合メンテナンス企業を目指し、インフラメンテナンス産業を創出する」とうたい、懸案の「担い手確保・育成」については▽建設技能労働者賃金の年収3割アップ▽女性技術者・技能者の5年以内の倍増▽完全週休2日制の達成―などを挙げた。「生産性の向上」についてはICT(情報通信技術)の活用などによる現場の省力化、効率化と新技術・新工法の開発などを推進し、最低でも生産性を5割アップさせる―などとした。
要請・提案事項では、メンテナンス時代の戦略的道路管理に欠かせないとして、▽道路規格に見合った管理・サービス水準・指標の提示▽補修・更新時代に対応した管理を主体とする積算体系▽舗装関連ビッグデータを収集・分析・活用する官民共同体制の整備▽道路管理データの民間開放▽舗装診断士資格の創設―などを求めた。
提供:建通新聞社