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2015/05/21

太田国交相「公共投資はストック効果重視」

 19日に開かれた政府の経済財政諮問会議で太田昭宏国土交通相は、「公共投資によって民間投資が誘発されることがある」などと述べ、インフラの『ストック効果』を重視した公共投資の必要性を訴えた。市場規模の急激な減少が不適格業者の参入や人材の離職を招くとして、経済成長を支えるストック効果を重視し、経済規模に見合った安定的・持続的な公共事業費の確保を主張した。
 太田国交相は、現在の社会資本が抱える▽激甚化する気象災害、切迫する巨大地震▽加速するインフラ老朽化▽人口減少による地方の疲弊▽激化する国際競争―の四つの危機に対応するとともに、ストック効果のある公共投資への選択と集中を徹底すべきだと強調した。
 ストック効果が高い公共投資の実例として、沿道で工場・物流施設の立地が進んだ圏央道整備、交流人口拡大や地価上昇につながった北陸新幹線の開業、災害リスクの減少で商業施設などの立地を促した首都圏外郭放水路の整備を挙げた。
 さらに、公共投資の急激な増減が、不適格業者の参入、ダンピングの多発、人材の離職、資機材の処分などの事態を招くことを懸念。東京五輪が開かれる2020年以降を見据え、ストック効果に着目した戦略を持ち、安定的・持続的な公共投資を行う必要性を訴えた。
 安倍晋三首相は会合で、「(公共投資の)選択と集中を徹底するため、社会資本整備重点計画などで、重点分野における優先度、時間軸を明確にしてもらいたい」と太田国交相に指示。併せて、PPP・PFIなどの取り組みを飛躍的に$iめるよう求めた。

提供:建通新聞社