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中央ニュース

2015/05/11

日建連 12日から地整などと意見交換

 日本建設業連合会(日建連)は、国土交通省地方整備局などと公共工事の諸課題を話し合う2015年度の意見交換会で、改正品確法の的確な運用や適正な工期設定、生産性の向上などをメーンの議題にする。担い手の確保・育成と円滑な施工の確保につなげるため。国交省との意見交換会フォローアップ会議の成果や会員企業アンケートの結果などを踏まえ、工程管理情報を共有化した試行工事の全国的な拡大、完全週休2日制のモデル工事の実施、プレキャスト(PC)部材の積極活用などを提案する方針だ。12日の関東地域を皮切りとした会合で、発注者側に対応を求めていく。
 工程管理情報の共有化をめぐっては、国交省が14年度に9現場(関東地整3、中国地整1、九州地整5)で実施した試行を通じ、クリティカルパスへの対応の迅速化や工程管理の円滑化といった効果を把握できた。このため、試行工事を全国的に拡大して▽ASPを利用したより効率的な情報共有化の方法▽特記仕様書への記載▽他工区を含めた工区全体の取り扱い―などの課題の解決策を検討するよう訴える。
 完全週休2日制のモデル工事の実施は、休暇取得の拡大に向けたモデル工事の継続実施を盛るフォローアップ会議の取りまとめ(15年3月18日)を受けて提案する。中部地整による14年度の試行を踏まえつつ、技能労働者や下請け企業が相当数参画する「大規模工事」(労務費率の高い土工や改良工など)を選んだ上で、▽現場の完全週休2日制を契約条件に設定▽発注者が適切な工期を設定し、その情報を開示▽受発注者間で工程を共有して完全週休2日制を確保―するよう求める。
 これに併せて、会員企業の現場では▽4週8休が5%(完全週休2日については3%)▽土曜・祝日も現場を稼働させなければ工期内完成は難しい▽週休2日を考慮した工事計画を立案して休暇取得に配慮▽一般土木で4週8休が可能となった現場は地盤改良が最多―などのアンケート結果を提示する。
 PC部材の積極活用では、従来工法に比べ工程と労務歩掛かりが20〜75%で収まり、コストも同等程度で済むとの考察データを基に、設計基準の統一などを求める。高密度配筋の解消(機械式鉄筋定着工法の普及拡大)を目指し、国交省や建設コンサルタンツ協会と立ち上げた委員会のような組織での検討を視野に入れている。
 さらに、設計変更ガイドラインを拡充するため、関東地整と「先行指示を行う場合は概算額を指示書へ明示」することなどを調整した成果も踏まえながら、未策定の政府関係企業・独立行政法人・都道府県政令市に策定を呼び掛ける。
 14年度と同様に、自由討議に時間を割く形での進行を想定している。
 意見交換会の日程は次の通り(開催順)。
 ▽関東―5月12日(さいたま新都心合同庁舎2号館、さいたま市中央区)▽中部―5月18日(名古屋銀行協会、名古屋市中区)▽関西―5月20日(大阪合同庁舎第1号館第1別館、大阪市中央区)▽四国―5月26日(高松サンポート合同庁舎、香川県高松市)▽北陸―6月1日(ANAクラウンプラザホテル新潟、新潟市中央区)▽東北―6月2日(ホテルメトロポリタン仙台、仙台市青葉区)▽北海道―6月4日(KKRホテル札幌、札幌市中央区)▽中国―6月8日(KKRホテル広島、広島市中区)▽九州―6月9日(ホテルオークラ福岡、福岡市博多区)

提供:建通新聞社