国土交通省は、直轄工事に導入している「総価契約単価合意方式」で、受発注者が合意し、締結する単価合意書に収入印紙(200円)を貼付するよう、受注者への周知を始めた。国税庁から「単価合意書が印紙税法上の契約書に該当する」との指摘を受けたことに伴う措置。国交省は過去5年間に同方式を採用した直轄工事の受注企業約4000社にも、追加で印紙税の納税を求める文書を送付した。
総価契約単価合意方式は、受発注者間の片務性を解消し、数量の増減などに伴う請負代金の変更を円滑に行うために2010年度に直轄工事で適用が始まった。受発注者が請負代金額の変更や部分払いの金額の算定に使用する単価を前もって協議し、単価合意書を締結する仕組み。
10年度には原則として全ての直轄土木工事(港湾・空港工事を除く)に適用を始めたが、単価合意書への収入印紙の貼付については、同省として統一的な見解を示していなかった。
国税庁は今回、単価合意書が契約書で定められていない契約内容(請け負いの内容、単価取り扱い数量、内訳金額)を補充するものであり、印紙税法上の「請負に関する契約書(第2号文書)」に当たるとの見解を提示。単価合意書に200円の収入印紙を貼付する必要があると指摘した。
これを受けて国交省は、今後、同方式を採用する工事の単価合意書に収入印紙を貼付するよう受注者に指導することとし、過去5年間に同方式を採用した工事の受注企業約4000社に印紙税を追加で納税することを求めた。また、総価契約単価合意方式を導入していることが確認された国・地方の発注機関(8団体)にも同様の対応を求める文書を送った。
単価合意書を締結した企業は税務署に申告して納税通知書を受け取り「過怠税」として印紙税を追加で納付する。過怠税は当初納付すべき税額の3倍相当(600円)を徴収されるが、国税庁の調査を受ける前に自主的に不納付を申し出れば納税額は1・1倍(220円)に軽減される。
提供:建通新聞社