国土交通省は、公共工事における新技術活用システム(NETIS)の登録技術から、推奨技術2件、準推奨技術6件を新たに選定した。公共工事の技術水準を一層高める新技術などとして、直轄工事で対象技術を活用した企業に工事成績評定や総合評価方式で加点措置を与える。さらに、今回からは、地方自治体からの推薦を受け付け、新たに「評価促進技術」として5件を選考。対象技術については、直轄工事での活用・評価を図り、推奨技術や準推奨技術への推薦を検討する。
有識者らでつくる新技術活用システム検討会議が推奨技術2件、準推奨技術6件、評価促進技術5件を選定した。2007年度からの累計で推奨技術は23件、準推奨技術は53件が選定されたことになる。
推奨技術と準推奨技術は、直轄工事の総合評価方式で、対象技術を技術提案に盛り込んだ入札参加者に加点したり、施工者希望型で対象技術を活用した施工者の工事成績評定に加点措置を講じる。NETIS申請者には、推奨技術・準推奨技術などの名称使用も認める。
NETISと同様の制度を持つ地方自治体や研究機関などの推薦を受けた評価促進技術5件は今回初めて選定した。NETISの登録技術は、国交省発注工事の実績に基づいてすでに全体の24%が評価を終えているが、自治体などからの推薦を受け入れることで、優れた新技術の直轄工事での導入を促す。
一方、すでに公共工事の技術指針などに示され、一般的に選択・活用されている技術1件を「一般化・標準化技術」に選定した。選定された技術は、NETISの掲載期限である10年を過ぎても、一般化・標準化技術の名称を使用でき、引き続き特別サイトに掲載する。
「自治体の評価結果 閲覧可能に」
国交省はまた、推奨技術などの選定に合わせ、5月中旬からNETIS上で地方自治体など他機関との技術情報の共有も始める。新技術の登録・評価を行う制度を持つ▽新潟県▽長野県▽静岡県▽山口県▽高知県▽土木学会▽地盤工学会―の評価を受けた約170技術を対象に、NETISの登録ページにリンクを掲載し、他機関の評価結果を閲覧できるようにする。
新たに推奨技術などに選ばれた新技術は次の通り(かっこ内は申請者)。
【推奨技術】
▽インバイロワン工法
(インバイロワンシステム)▽塗布形素地調整軽減剤(大日本塗料)
【準推奨技術】
▽ギガショット工法(フタミ)▽インシチュフォ
ーム工法(日鉄住金パイプライン&エンジニアリング)▽SGICP工法(3SICP技術協会)▽アデムウォール(前田工繊)▽GTフレーム工法(イビデングリーンテック)▽RCネット工法(シビル)
【評価促進技術】
▽UCIS(五洋建設)▽END工法(五洋建設)▽鉄鋼スラグ水和固化体製造技術(JFEスチール)▽小型積ブロック(山富産業)▽ブランチブロック工法(キッコウ・ジャパン)
【一般化・標準化技術】
▽ハット形鋼矢板900(鋼管杭・鋼矢板技術協会)
提供:建通新聞社