国土交通省は、2020年東京五輪で公道を使用するマラソンや自転車競技のアスリート・観客の暑熱対策を考える検討会を発足させ、17日に初会合を開いた。検討会メンバーの有識者らの意見を踏まえ、国交省は、今夏にも保水性舗装や遮熱性舗装など路面温度の上昇を抑制する環境舗装の効果を検証する。沿道の緑化やバリアフリー化などについても提言してもらい、競技を観戦する観客にも快適な道路環境の整備に生かす。
17日に初会合を開いたのは「アスリート・観客にやさしい道の検討会」(座長・屋井鉄雄東京工業大学大学院教授)で、瀬古俊彦DeNAランニングクラブ総監督、横溝良一東京都技監らも委員として参加する。
国交省の深澤淳志道路局長は会合の冒頭で「東京五輪は、最も気温が高くなる夏季に開かれる。アスリートに対し、暑さや走りやすさの面で道路側からの配慮が必要だ」と述べた上で「できれば、世界新記録を出してもらえる道路環境を整えたい」と語った。
東京五輪で公道が使用されるのは、マラソン、競歩、自転車競技、トライアスロン。アスリートの暑熱対策として、路面温度の上昇を抑制する保水性舗装や遮熱性舗装を競技コースとなる国道・都道などに整備する。今夏をめどに東京都内で環境舗装の効果を検証する。
検討会では、沿道の観客も快適に観戦できるよう、道路緑化、バリアフリー化、道路空間の有効活用(オープンカフェの整備など)についても議論し、6月にも提言をまとめる。
提供:建通新聞社