建設業振興基金と建築保全センターは14日、設計製造情報化評議会(C―CADEC、事務局・建設業振興基金)が開発した、設備機器などの電子データ交換を可能とする「Stem」と「BE―Bridge」に関する利用許諾契約を結んだ。建築保全センターは今秋発足させるコンソーシアムで、建築材料や設備機器などの部材の3Dデータを集めた「BIMライブラリー」を構築する予定で、この中でStemとBE―Bridgeを発展的に引き継ぐ。
Stemは、設備機器の仕様属性情報や外形図などを一つの電子データとして交換できる仕様で、ダウンロードされたデータは設計・施工に利用さる。BE―Brideは、異なる設備CADソフト間で部材属性を伴ったCADデータの交換を可能とする仕様。配管・ダクト・制気口などの部材を対象に仕様化されている。
ゼネコンや設計事務所、設備機器メーカーなど30社でつくるC―CADECは、建設産業のCADデータを交換を実現する技術開発を目的として1999年に発足したが、ことし3月に解散。C―CADECが開発したStemとBE―Bridgeは、空調・電気設備分野を対象にCADソフトに実装されており、建設業振興基金などが著作権を保有したまま、建築保全センターに無償で提供、C―CADECの解散後も利用できるようにする。
建築保全センターでは、設計者や施工者がBIMを活用する際、自前で用意できない建築材料や設備機器などの3Dデータを集約した「BIMライブラリー」を2年後をめどに構築する予定で、このライブラリーにStemとBE―Bridgeの成果を活用する。今秋発足させるコンソーシアムには、C−CADECの会員企業や建設・設計関連の業界団体、国・地方自治体などに参加を呼び掛ける。
調印式で、振興基金の内田俊一理事長は「StemとB―Bridgeがワンステージ上り、BIMに活用されるため、最適な団体に引き継ぐことができた」とコメント。建築保全センターの尾島俊雄理事長は「新体制を整えた上で、着実に次のステージに展開させていきたい」と話した。
提供:建通新聞社